映画「スティーブ・ジョブズ」の感想

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「スティーブ・ジョブズ1995」に続いて、アシュトン・カッチャー主演の「スティーブ・ジョブズ」も見ました。国内外のレビューは酷評が多かった本作品ですが、私はとても面白かったです。

以下ネタバレ

弁護するならば、あの上映時間でまとめるには難しい内容だと思うし、ジョブズの半生を知らない人が見ても理解できるレベルまで簡素化する必要があるから、アップルの歴史を詳しく知っている人にとっては消化不良に感じるのは仕方がないことだと思った。

それでも、アップル社の創業当時の雰囲気、熱気といったものが伝わってきたし、ジョブズの人物についてはしっかりと描かれていたと思う。自分のビジョンに対しては非常に情熱的、しかし、使えないと思った人物は冷徹にあしらうなど、普通の常識が当てはまる人間ではない描かれ方だ。あの人物なくして、今のアップルの成功はあり得なかったことがよく分かる。

そして、上場したアップルが製品の顧客だけでなく、株主をも満足させなくてはならなくなり、理想を追求するジョブズが取締役会との対立していく様子や、ジョブズと蜜月だったCEOのスカリーが、影響力のあるジョブズとのツートップ体制にやりづらさを感じ、取締役会と結託してジョブズの地位を剥奪する場面などは緊迫感があって面白かった。

私が一番好きだったシーンはウォズが退職してジョブズに挨拶をする場面でしょうか。純粋に自分の好きなことにこだわりたかったウォズと、理想を追求するあまり、周りが見えなくなっていたジョブズが対照的に描かれていました。あのときのウォズの言葉はジョブズはどう感じていたのだろう?きっと、その言葉の意味は半分も理解できなかったのだろうと思いました。

そんなわけで、非常に面白かった作品ですが、最後のエンディングだけはもう一工夫欲しかった!個人的には成功したアップルを描くのは作品的に野暮な感じがするので、冒頭のiPodの発表シーンをもう一度流して時間軸を交錯させてみたり、iMacの「hallo again」で結ばれればより印象的になったのではないかと思うのです。そこだけが惜しい!

今世紀最高の経営者、人の心を掴むカリスマ── 2011年10月5日、56歳の若さで亡くなり、オバマ大統領はじめ数々の著名人が追悼の意を表した、アップル・コンピュータの創業者スティーブ・ジョブズ。一方で彼は、ワガママで傲慢、自分の考えを絶対に曲げず、必要ならば友人さえも追い落とす非情な男とも言われた。なぜ、そんな<嫌われ者が、世界中の人々から<熱く愛されるデバイス>を創ることが出来たのか──?その疑問に答える、ジョブズ没後初の映画が実現した。

公式サイト

http://jobs.gaga.ne.jp

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