ハーブ&ドロシー観ました!

さとなおさんがアドバイザーとして応援している映画「ハーブ&ドロシー」を見てきました。映画のあらすじはこんな感じ。

アートコレクターといえば、誰もが大きなプール付きの家に住む、庶民とは関係のないお金持ちを想像するだろう。しかし、国立美術館にコレクションを寄贈したこの稀代のアートコレクターが、小さなアパートに暮らすごく普通の老夫婦だといったら驚くはず。
『ハーブ&ドロシー』は、実在する現代アートコレクター、ヴォーゲル夫妻を追った感動のドキュメンタリー作品。公務員のふたりがいかにして膨大なコレクションを築いたのか?― その秘密を明らかにしながら、次第に“ほんとうに豊かな人生”のあり方を浮き彫りにしていく。お金儲けのためではなく、ただひたすら二人三脚で好きなモノを集めてきたふたりの姿は、発見する喜びと夫婦愛に満ちている。アートの知識なんてなくても、彼らの人生に触れれば、ほんの少し世界が変わって見えるはずだ。

所有するアートを売れば億万長者にもなれたのに、決して販売をせずに自分たちの収入で出来る範囲のアート収集を大切にしたヴォーゲル夫妻。映画を見て感じたのは、二人はアートを収集して飾ることだけが目的ではなく、ギャラリーやアトリエに何度も足を運び、制作プロセスやアーティストの作風の変化を見たり感じたりすることに情熱を注いでいたのではないかと。アートという媒体を通してアーティストとコミュニケーションすることに楽しみを感じていたのではないでしょうか。映画の中であるアーティストが言っていましたが、「ミニマルアートはシンプルだけど中身は複雑なんだ」と。アートの真髄はコンセプトなのです。アトリエで作品のコンセプト画やラフスケッチを拾いあげ、そのアイデアの源泉を発見することは彼らにとって最高にワクワクする瞬間だったのではないかと思うのです。

アートファンにとっては非常に貴重な内容が盛りだくさんの映画ではありますが、この映画はアートの何たるかといった小難しい話が主題ではありません。それは、結婚して45年間を共に歩み、アートへ情熱を注いできた老夫婦の慎ましやかな暮らしを綴った日記なのです。バケーションよりもお気に入りの本とチョコレートが一箱あれば良いという二人は、決して裕福ではないけど、アートを通じて夫婦の絆を大切にし、心豊かで実りのある暮らしを送ってきました。人の決めた価値に従うことではなく、自分たちで価値を見出してそれを愛すること。とても素晴らしい生き方をしてきた二人の物語なのです。

映画を見終えて余韻に浸っていると、舞台袖から監督の佐々木さんが登場して舞台挨拶となりました。監督も言っていましたが、この作品は海外では最優秀ドキュメンタリー賞などを受賞しているにもかかわらず、日本では配給会社が決まらずに苦労されたとか。広告宣伝を一切おこなわず、ボランティアで成り立っているので口コミだけが頼りなのだと。なので、感動させていただいたお礼に微力ではありますが、自分もブログや口コミで宣伝させていただこうかと思います。

・ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
http://www.herbanddorothy.com/jp/index.html

・シアターイメージフォーラム
http://www.imageforum.co.jp/theatre/

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