エッセイばかり読んでいたからある意味新鮮な短篇集。どの作品も向田さんの独特な「昭和でウィットでペーソス」な雰囲気を醸し出している。
この作品は男女のテーマが多いのだけど、読んでみて、いつの時代も男って変わらないよなって思った。結局のところ、男ってのは女性の前で格好良くいたいだけなんだよなぁ。ちっぽけな見栄と自尊心を見破られないように一生懸命に取り繕って生きている・・・。そんな男心を見事に描いてしまう著者に脱帽。男じゃないと分からない世界ってあるだろうと(笑)それにしてもこの作品に出てくる女性がなんとも「リアル」で怖い。
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