iBooksに誉田哲也の「レイジ」がリリースされていたので購入。音楽の「バンド」を題材にしたいわゆるバンド小説です。物語は中学3年の学園祭のステージで演奏した4人の少年のうち、礼二と航(ワタル)の二人の視点を通して描かれます。お互いの実力を認め合いながらも相いれず、別の道を歩んでいく二人。上を目指す過程での葛藤や挫折。やがて大人になって音楽とは関係のない仕事につく二人だったけど、ある出来事をきっかけに・・・、という感じの内容なんだけど誉田哲也の小説は人物の心理描写が上手いので、物語にグイグイと引き込まれてあっという間に読了してしまった。ときにはほろ苦さを感じながらも、友情って大切だよね、青春っていいね、と読みながら目頭が熱くなり、読了後にとっても爽やかな気持ちになった。
自分も中学の頃バンドでギターをやっていたので、当時を思い出しました。メンバーと夜明けまで練習したり、スタジオに行って録音したり、雑誌でメンバーを募集したりと、小説さながら青春していました。高校になって、少しバンドをやっていたけど、そのうちバンド活動への情熱はなくなってしまった。その後、再びデザイン学校のときの友人たちと洋楽やギターの話題で盛り上がり、友人宅でギターを弾いたり、夜通し音楽談義。学園祭でバンドしたり。いやはや懐かしい日々。こういうのって男はみんな通る道なのかな。