SONYの前途は!?

発売直前に異例の値下げを行い、満を持して発売されたSONYのWalkman Aシリーズ。発売日19日と20日の2日間の販売速報では販売シェアも倍増したとBCNランキングの援護射撃にもかかわらず、ネット上ではそんな話題はほとんど触れられずに見かけるのはWalkman Aシリーズに対するユーザーの不満や問題ばかり…。あんなに時間があったのにどうしてもっと上手くやれなかったのですか!!と小一時間問いつめたい。

Walkman Aシリーズについてのまとめサイトがあるのでそちらを一読していただくとよくわかると思うのですが、同梱されている「Connect Player」のトラブルや、やらせ販売促進ブログなど、やってることが非常にお粗末で目も当てられません。あげくの果てには某掲示板で返品レポートのスレまで立ち上がる始末…。問題の多くはConnect Playerなのでソフトのバージョンアップなどで対応すればある程度は改善するかもしれませんが、藤本健氏のレビューにあるように開発には相当苦労した様子。モノマネしたわりには出来が悪すぎという厳しいツッコミもありそうですね。

Walkman Aシリーズの製品発表のとき、SONY幹部がiPodを研究し尽くしてAppleの戦略を参考にしたようなことを言っていましたが、それこそ大いなる勘違いをしているのではないかと。iPodが成功した要因はiPodの使いやすさだけでなく、iTunesやiTMSとの連動があるからこそなのですが、その構図をそのまま踏襲したところでWalkmanがそれ以上のモノになるはずもなく、やはりブレイクスルーというか新しい視聴スタイルを提案するぐらいの勝負をしないといけないのではないでしょうか。つまり「iPodスタイルに固執しないで別の新しいモノを考える。」ほうがいいんじゃないかなぁと思います。

以前のエントリーで「AppleとSONYは何が違うのか?」という文章を書いたときにはSONYとAppleを同じ土俵で見ていましたが、最近のSONYは「rootkit」など時代の流れと逆行してしまったり、小手先で勝負しようとするあたりもはや比べる次元が違うんだなぁということを今回の件ではっきりと認識しました。やはりカンパニー制が良くなかったのでしょうか。強力な組織最適化が全体の連携を極端に悪くしてしまい、目指すべき道が見えなくなってしまったのでしょうね。かつて国内外で強力なブランドを構築したSONYが、ブランドでメシが食える時代の終焉の幕引きを自らしてしまわないように井深大氏の設立趣意書を今一度思い出してほしいと思うのでした。

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