ウォール・ストリート感想

映画「ウォール・ストリート」見てきました!

冒頭でゴードン・ゲッコーが、刑務所から出所するときに渡される携帯電話が時代の流れを感じさせた。マイケル・ダグラスは病気を患っていたので少し痩せた感があったけど、ものすごい存在感で、シャイア・ラブーフ、キャリー・マリガンらが圧倒されていたと思う。

大手投資銀行の破綻やサブプライムローン問題といったアメリカの近年の経済危機が物語の背景として描かれていて、FRBでのやりとりなど、アメリカの金融業界の側面を垣間見れて面白かったけど、物語の随所に出てくるCGがリアル感を損ない、興ざめしてしまいます。説明的な演出は全く必要ないと思います。

そして、オリバー・ストーン監督ということで、もう少しヘッジファンドのきな臭い部分とか、人間のドロドロとした部分を描くのかと思ったけど、意外とあっさりとしていて、トレンディドラマのようなストーリー展開、エンディングも大団円でした。映画としては面白いのだけど、波乱な物語を期待していた自分としてはいささか消化不足な内容です。

オリバー・ストーン監督&マイケル・ダグラス主演による名作「ウォール街」の23年ぶりの続編。前作の最後に逮捕され収監されたウォール街のカリスマ投資家ゴードン・ゲッコー(ダグラス)が長い刑期を終えてニューヨークに帰ってきた。疎遠になっていた娘ウィニーとの関係修復にとりかかるゲッコーだったが、ウィニーは強欲な犯罪者の父親を毛嫌いしていた。そんな中、ゲッコーはウィニーの婚約者でウォール街で一旗揚げようとしている野心家の青年ジェイコブと出会う(映画.com

SPEC

TBS金曜よる10時のTVドラマ「SPEC」が面白い。監督はケイゾクの堤 幸彦。戸田恵梨香が演ずる捜査官、当麻紗綾は今までにない、かなりぶっ飛んだ役柄。髪はボサボサ、常に三角巾で左腕を吊るし、現場にはピンクのキャリーケースを引き回して登場する。服装には無頓着だし、常にKY発言、突然のブリっ子で周囲には気持ち悪がられるが、実はIQ201の驚異の記憶力でパソコンのスペシャリスト。なんか宮藤官九郎のドラマに出てきそうなハチャメチャな設定のキャラだけど、戸田恵梨香が見事に役を演じきっていて、ドラマを終始飽きさせない。

ドラマのあらすじ

世の中には、通常の人間の能力や常識では計り知れない特殊能力(スペック)を持った人間が潜んでいる。
例えば、異常に感覚が進化した人間、異常な運動能力を隠し持っている人間、異常に優れた頭脳を持っている人間。
もし、そのうちの何パーセントかの特殊能力者が、その能力を悪用しているとしたら…。
特殊な能力で、他人の命や財産、果ては社会的地位、もしくは、政権を狙いだしたとしたら…。
そして、そのことに、すでに各国の政府は気づいていて、水面下ではすでに、暗闘が繰り広げられているとしたら…。

このドラマは、凡人にはない特殊能力、「SPEC」を持っている犯罪者に立ち向かう、若き刑事たちの物語である。

「SPEC ~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」
http://www.tbs.co.jp/spec2010/

硫黄島からの手紙

土曜日に「硫黄島からの手紙」を見てきました。

「父親たちの星条旗」と同様に淡々と戦争が描かれてますが、まったく違った雰囲気の映画となっていました。日本人のキャスト、台詞も全て日本語なので当然といえばそうなのですが、やはり日本側には勝機のない悲壮感みたいなものがにじみ出ていたからだと思います。

硫黄島の戦いでは日本の守備隊2万人以上が命を失ったそうですが、当時は故郷に手紙などを出すにしても何処の戦地で戦っているかは教えられないそうで、故郷に残された家族も戦死してはじめて硫黄島にいたことを知るといったことも多かったそうです。そして、今でも硫黄島には1万3千人の遺体が眠っているとのこと。熾烈な状況の中で兵士たち一人一人が何を想い、戦い、散っていったのかを想像すると胸が苦しくなります。

現在の安泰な世の中が、すべて戦争で命を落とした人たちの犠牲の上に成り立っているとは言い切れないけど、その事実を、その存在を決して忘れてはいけないと思いました。

それにしても二宮和也くんの演技が良かったです。
彼にアカデミー賞助演男優賞取ってもらいたいと本気で思った。

ユナイテッド93

今日は日比谷で「ユナイテッド93」を見てきました。

この作品は9.11でハイジャックされた航空機4機のうち1機だけ目標に到達しなかったユナイテッド93便の機内の様子を、当時のボイスレコーダーや乗客の携帯電話からの通話などを元に構成したフィクション作品ですが、手持ちカメラによる映像と、過剰な演出やBGMを抑え、ハイジャックされた機内の様子が淡々と描かれていて、自分もその場にいるかのような緊迫感がありました。

飛行機が無事に着陸するこがないと知った絶望的な状況の中、テロリストに立ち向かう人たち、ただひたすら恐怖におびえる人、家族に電話で別れを告げる人…。さまざまな人々の様子が描かれています。この物語の結末がわかっているだけに見ているだけで切なくなりました。そしてテロの実行犯たちも完全な悪として描かれているのではなく、彼らも普通の若者であって、ためらいを見せるような描写や、墜落の瞬間までひたすら神に祈り続けている様子などが描かれていて、いろいろと考えさせられてしまいました。

そして、上映終了後に画面が暗くなる瞬間の「静寂」がこの映画の全てを物語っているような気がしました。映画の内容は真実とは異なるかもしれませんし、絶賛するような内容でもないとも思いますが、とにかく多くの人に見てもらいたいと思った作品です。