毎週土曜日の午前10時20分、テレビ朝日で放映している百寺巡礼という番組をご存知だろうか。ロングセラー作家の五木寛之氏が心のふるさとをさがして日本列島を北から南へと寺院巡りをするという内容なのだけれど、見ているだけで我々の奥底にある日本人の心というものを呼び起こしてくれる…。そんなシブい番組なのだ。
なぜか毎週といっていいほど見てしまう不思議な番組だ。五木氏の淡々とした語り口と日本の古寺の美しい映像が、俗世の煩わしさを忘れさせ、どこか懐かしいその光景がすべてを包み込むように癒してくれる。会社や学校でいやなことがあったなら、心に孤独を感じたならば、是非この番組をご覧になってほしい。
と、ここまでアツく語ってしまったが、この番組を見ていて気がついたことがある…。制作者の意図なのか偶然なのか知る由もないが、五木氏が巡る道中は毎回といっていいほど雨なのである。雨にうたれる茅葺きの屋根や石畳、傘をさして寺院の門をくぐる五木氏の映像はもうベストマッチング。絶対に偶然ではないと思うのだけど。この番組のなぞである。